【花粉注意報】花粉症について内科医が解説します!

花粉症ブログ

はじめに

こんにちは、オンラインクリです。
2月も終盤に差し掛かり寒さが和らいできました。それと同時にスギ花粉飛散のニュースも聞こえてくるようになりました。
本日は花粉症についてお伝えさせていただければと思います。

花粉症とは?

花粉に対するアレルギー症状の総称のことです。主に鼻の症状目の症状を起こします。
春シーズン(2-4月がピーク)はスギヒノキ、秋シーズン(9月がピーク)はブタクサが原因となること多いです。
本邦において、経年的に患者さんは増加傾向であり、日常生活の妨げとなる、まさに国民病とも言える疾患です。
アレルギー性鼻炎は、特定の時期に症状が見られる季節性アレルギー性鼻炎と、ハウスダストやダニが原因の1年を通して症状が見られる通年性アレルギー性鼻炎に大別されますが、花粉症はこのうち季節性アレルギー性鼻炎に分類されます。
代表的な症状として、鼻水くしゃみ鼻づまり目のかゆみなどが挙げられます。

スギ花粉

花粉症のメカニズム

※ここは少し難しい生体化学のお話になります。比較的噛み砕いた分かりやすい表現にしていますが、分かりづらかったら読み飛ばしてください。

花粉症の問題点は、花粉自体を免疫細胞が外敵として記憶してしまうことにあります。
空気中の花粉が鼻の粘膜や目の粘膜に付着すると、まず最初に樹状細胞と呼ばれる免疫細胞に取り込まれます。樹状細胞はここで花粉の情報を解析し、免疫の司令塔であるヘルパーT細胞にその情報を伝えます。ヘルパーT細胞はインターロイキンと呼ばれる情報伝達物質(サイトカイン)を放出し、B細胞というリンパ球を形質細胞へと分化させて、花粉に対するIgE抗体を産生します。
このIgE抗体マスト細胞に結合することで、花粉を外敵と認識し、次の侵入に備える「感作」という過程が終了します。
この「感作」が終了することで、次回の侵入以降、花粉という外敵を排除するべく鋭敏な免疫応答が起こるようになるのですが、この鋭敏な免疫応答というのがいわゆるアレルギー反応」のことです。
「感作」終了後に花粉が体内に侵入すると、IgE抗体が結合したマスト細胞に付着し、外敵が侵入してきたというシグナルとして、ヒスタミンロイコトリエントロンボキサンPAFといった化学物質が放出されます。こういった化学物質は鼻と目の粘膜や神経を刺激するので、鼻水くしゃみ鼻づまり目のかゆみといった花粉症症状を引き起こします。

免疫細胞

花粉症の検査

基本的には臨床症状で診断を行いますが、投薬治療で改善が乏しい例などについては下記のような精密検査を行います。

耳鼻科内視鏡(ファイバースコープ)による鼻腔の観察
鼻粘膜(下鼻甲介)の腫れ、粘膜が白っぽく見える、透明な粘液といった所見が観察できます。

血液検査(血清特異的IgE検査)
どのアレルゲンで反応が出るか、血清のIgE抗体を検査することで判断します。
花粉で反応が出ているようなら花粉症が疑われます。

鼻汁好酸球検査
アレルギー性鼻炎の際は鼻汁の好酸球数が上昇するため、それを検査します。

鼻粘膜誘発試験
鼻の粘膜に原因として疑われる抗原(花粉)ディスクを塗布し、反応を見る検査です。くしゃみや鼻水などの反応があるようなら、その抗原(花粉)はアレルゲンとして疑われます。

皮膚テスト
抗原(花粉)を皮膚の浅い部分に注入し、皮膚の変化を見る検査です。赤くなったり腫れてきたりした場合は疑わしいです。

花粉症採血結果

花粉症の治療

まずはじめに問診から病型分類重症度分類を行います。

病型分類
くしゃみ・鼻漏型:鼻水とくしゃみの症状が強い
鼻閉型:鼻づまりの症状が強い
充全型:鼻水/くしゃみと鼻づまりの症状が同程度

重症度分類

花粉症重症度分類

上記の分類をもとに治療戦略を考えていきます。

内服治療
抗ヒスタミン薬
花粉症治療における主軸となる治療薬です。本邦においては、たくさん種類があるので患者様にとって適切な薬を見つけ出すことが大切です。
抗ヒスタミン薬には第一世代第二世代があります。第一世代に関しては、中枢神経の抑制作用があるため、強い眠気やめまいなどを引き起こします。そのため現在は第二世代の抗ヒスタミン薬が幅広く処方されています。

以下に抗ヒスタミン薬の一覧を掲載しておきます。

第一世代抗ヒスタミン薬
ポララミン、アタラックス、タベジールなど

第二世代抗ヒスタミン薬こちらが主流
ケトチフェンフマル酸塩(ザジテン)、アゼラスチン塩酸塩(アゼプチン) 、オキサトミド、メキタジン(ゼスラン、ニポラジン)、フェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ)、エピナスチン塩酸塩(アレジオン)、エバスチン(エバステル)、セチリジン塩酸塩(ジルテック)、レボセチリジン塩酸塩(ザイザル)、ベポタスチンベシル酸塩(タリオン)、エメダスチンフマル酸塩(レミカット) 、オロパタジン塩酸塩(アレロック)、ロラタジン(クラリチン)、デスロラタジン(デザレックス)、ビラスチン(ビラノア)、ルパタジン(ルパフィン)など

1日の1回の服用で効果がでるもの、空腹時の服用が必要なもの、眠気が強くでるものなど薬剤によって様々な特徴があるため、患者様の背景も考慮して処方する必要があります。

市販薬にもアレグラ、アレジオン、クラリチンはありますが、印象としては比較的マイルドな効果なので、まずは医療機関に相談することをお勧めします。
眠気の副作用が有名ですが、パイロットの方でも服用できるような眠気に配慮したものもあります。(フェキソフェナジン(アレグラ)、ロラタジン(クラリチン)、デスロラタジン(デザレックス)、ビラスチン(ビラノア))

ロイコトリエン拮抗薬
鼻粘膜の血流改善効果があり、鼻閉型によく処方されます。
プランルカスト(オノン)が代表的な薬剤です。

・その他症状に応じて、
メディエーター遊離抑制薬(リザベンなど)、抗プロスタグランジンD2/トロンボキサンA2薬(ラマトロバンなど)、Th2サイトカイン阻害薬(アイピーディーなど)、漢方薬(小青竜湯など)も処方することがあります。重症度が高い例では、経口ステロイド療法が選択されることもあります。

外用治療(点鼻薬点眼薬)
直接鼻や目に薬剤を塗布する治療法です。
点鼻薬として鼻噴霧用ステロイド薬(ナゾネックス、アラミストなど)、
点眼薬としては抗ヒスタミン点眼薬(パタノール、アレジオンなど)を使用します。
鼻噴霧用ステロイド薬に関しては間接的に目の花粉症症状も抑えることが出来ます。
なお、血管収縮作用のある点鼻薬については使用において注意が必要です。ごくごく短期間の使用ならば有効であるとされていますが、繰り返し使用することで薬剤性鼻炎を引き起こし、逆に症状の悪化を招きます。市販薬にも血管収縮剤があるので、ドラッグストアなどで購入し、自己判断で使用し続けるのは避けた方がいいでしょう。

生物学的製剤
2020年より皮下注射薬ゾレアが保険適用されています。
マスト細胞へのIgE結合を阻害することでアレルギー反応を抑える薬です。重症例で使用されます。

手術療法
内科的治療で効果不十分の場合に選択されます。
レーザーによる下甲介粘膜レーザー焼灼術、全身麻酔下の内視鏡で粘膜や骨を切除する鼻腔形態改善手術、鼻汁分泌に関わる後鼻神経などを切断する鼻漏改善手術などが挙げられます。

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)
アレルギーの原因となる物質を少量ずつ服用することで、アレルギーを起こしづらい体質に変えていく治療のことです。花粉症の場合は、スギ花粉のシダキュアという舌下錠を用います。
花粉症の場合、花粉自体を免疫細胞が外敵と認識しているために、アレルギー反応が起きてしまいますが、1日1回アレルゲンを少量ずつ毎日摂取することで、「花粉は敵ではない」と免疫細胞に教えていくようなイメージです。
この治療は花粉症の症状を抑えるというより、花粉症を起こしづらい体質を作る予防的な治療として位置づけられています。
ただし、最低でも3年間ほどは服用を継続したほうがいいと言われているため、根気強く内服する必要があります。

薬物治療

花粉症における生活上の注意点

外出時はメガネマスクを着用し花粉の侵入を減らしましょう。非装着時と比べて、花粉の侵入を50%以上カットできると言われています。
コンタクトの方も花粉症の時期だけはメガネに変えた方がいいでしょう。また、眼矯正器具を普段から着用されていない方向けに、度なしのメガネの販売もあるようです。
羊毛類の衣類は花粉を吸着しやすいため、着用を避けましょう。
帰宅後は上着を玄関ではたき、手洗いうがい、そして洗顔をするとなお良いです。
また、花粉症の時期は窓を開けたり、洗濯物を外で干すことは避けましょう。
食事、運動、睡眠のバランスを整え規則正しい生活を行い、喫煙者の方は、鼻粘膜を痛めるため、喫煙は避けましょう。

花粉症患者

風邪(感染性鼻炎)との違いについて

ネット記事で鼻水の色でセルフチェックができると言ったものを散見しますが、実際は自己診断が間違っていることも多くあります。
「鼻水が透明ならアレルギー、黄色なら風邪」という自己判断は危険です。風邪の場合でも鼻汁が透明なことは多々あります。また、「目のかゆみがあるから花粉症だ」という判断も間違っているときがあります。花粉症と風邪が併発している可能性もあります。
随伴症状の有無や症状が出ている期間、そして全身状態などを総合的に判断する必要があるため、不安な際は医師の診察を受けた方がいいと考えます。

オンライン診療と花粉症

オンライン診療

当院のオンライン診療では初診から花粉症の診療を行っております。
患者様ごとに適切な投薬治療をご提案させていただいております。
国内流通している医薬品であれば全て処方可能です。保険診療を行っておりますので安心してご受診いただけると思います。

医療機関が近くになくて定期的な通院が出来ない…
仕事が忙しくて通院に十分な時間を割けない…
病院内で花粉症の薬をもらうために長時間待つのが難しい…
院内感染が怖い…

といったお悩み方はぜひ一度当院の早朝夜間オンライン診療をご利用ください。
皆様の御来院を心よりお待ちしております。

※オンライン診療では舌下免疫療法およびゾレア皮下注は処方出来ないのでご了承ください。

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